Winnyが単なる道具かというと、それは違うと思う。作者の47氏は当初から著作権とP2P技術に対するある思想を持っていて、その具現化のためにWinnyを作成したはずである。少なくとも、私にはそう見える。
逮捕の理由は、Winnyという道具を作成したことでも、47氏の思想でもなく、「著作権侵害に使われる事を予見できたのにも関わらず、S/Wの改良等を継続的に行い、犯罪を幇助した」という事が理由らしい。まあ道具の作成や思想を理由にされるよりは理解できる理屈だわな。なんとなくこじ付けっぽいけど。
しかし、上記の理由からいくと、「著作権侵害に使われる事を予見できたのにも関わらず、その使い方等を詳細に世間に流布し、犯罪を幇助した」という理由で本屋に並ぶWinnyやWinMXのHowTo本の出版社も全部逮捕されて然るべきではないのか?
この件が正式に裁判に突入した場合は、ぜひこの点についても追求がほしいところ。
まあ私からは、Winnyとは『腹腹時計』と同じ物に見えるわけですよ。だからこそ無自覚な使用者や書店に流布するHowTo本には苛立ちを覚えるわけで。
本人がどれだけ自覚していたのかはともかく、47氏は革命家であり、その思想を実現する道具を世に投じる事のできる活動家であった。となると権力機関からの弾圧を受けるのは必然だろう。もちろんその弾圧が法的に正しいかどうかなんてことはこの場合あまり問題にされない。規模は違えど、アメリカがグアンタナモ米軍基地やイラクのアブグレイブ収容所でやっている事と同じである。
私は、犯罪者は犯罪者としての自覚を持つべきであると思っているので、Winnyそのものの是非よりも、HowTo本がコンビニ等で簡単に手に入り、無自覚な犯罪者を増殖させうる現状こそが肯定しがたい。それこそ『腹腹時計』や『栄養分析表』がコンビにに並ぶ事と同じである。
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