VFD Shield for IV-21


概要

IV-21は20世紀末にロシアで作られたVFD(蛍光表示管)です。
直径15ミリ、全長68ミリの試験管状のガラス管の内部に、7セグメント+ピリオドの数字表示8桁と記号表示用の1桁の表示が内蔵されています。
ガラス管の内部に並ぶ、青緑色の鮮やかな蛍光表示が特徴です。

VFD Shield for IV-21は、Arduino用の拡張シールドです。
IV-21のドライブ回路とバックアップ付きのRTC(リアルタイムクロック)と3個のタクトスイッチ、動作表示用のLEDを1個搭載しています。時計などに応用できます。
ディスクリート部品で構成されていること、集合表示管を使用していることから比較的簡単に組み立てることができ、手軽に美しい表示を楽しむことができます。

VFD Shield for IV-21を使用するには、Arduino UNO(またはATMega328使用のArduino UNO互換機)が必要です。
Arduino Leonardo他では動作検証ができていません。

基板上には小さいですが、追加部品を実装可能なユニバーサルエリアが設けてあります。Arduinoの一部の端子は未使用なため、ユニバーサルエリアに部品を追加することで、自由な機能拡張が可能です。

技術資料

組み立て

キットはシールドの基板と部品一式がセットとなっています。
動作させるためには、ご自身ではんだ付けを行い、組み立てていただく必要があります。スルーホールに実装する足つきの部品のみで構成しています。表面実装部品は使用していません。
組み立ての難易度としては、はんだ付け初級~中級の方を想定しています。

作成手順

スケッチ

VFD Shield for IV-21を動作させるには、Arduinoに動作用のスケッチ(プログラム)を書き込む必要があります。
スケッチの書き込みには、Arduino IDEが必要となります。
詳細は以下を参照してください。
Getting Started with Arduino

スケッチ

高機能版
[OLD]vfd_shield_for_iv21_001beta2 カレンダーをスイッチから調整できません。MFT2015展示用
[OLD]vfd_shield_for_iv21_001beta3 カレンダーをスイッチから調整可能。試験中。
[OLD]vfd_shield_for_iv21_001beta3p1 ライブラリのアップデートに追従。試験中。

ライブラリ

スケッチの動作には、以下のライブラリが必要です。[Mirror]にリンクしてあるバージョンのライブラリで動作確認を行っています。

TimerOne[Original][Mirror]
Time[Original][Mirror]
DS1307RTC[Original][Mirror]
InputTerminal[Original][Mirror]

ライブラリの導入は、Arduino IDEのメニューから、[スケッチ]-[ライブラリをインクルード]-[.zip形式のライブラリをインストール]を選択し、ライブラリのzipファイルを読み込ませてください。
詳細は以下を参照してください。
Installing Additional Arduino Libraries

動作確認

セルフチェック

VFD基板、IC1、IC2を取り付けずにシールドをArduinoに装着し、電源を入れてください。電源を入れるときには、シールド上のスイッチに手を触れないでください。
シールドのLEDが1回点滅し、その後消灯したままであることを確認してください。
LEDが点滅を繰り返す場合は、LED表示の項目を参考に、原因を調査してください。

VFD駆動電圧測定

IC1ソケットの14pin-1pin間の電圧が、約22~25Vであることを確認してください。

最終組み立て

異常がなければ電源をOFFし、IC1,IC2,VFD基板を取り付けて電源を入れてください。
電源を入れるときには、シールド上のスイッチに手を触れないでください。
VFDに数字が表示され、カウントアップしていれば、問題なく動作しています。
操作方法の項に従って、時計を合わせてください。

操作方法

高機能版については、リンク先を参照してください。
時計・カレンダーの設定で最も簡単な方法は、DS1307RTCライブラリに付属するサンプルスケッチのSetTimeを使用することです。サンプルスケッチをArduinoにダウンロードし、Arduino IDEのシリアルモニタを実行することで設定されます。
シールドにはSW1,SW2,SW3の3つのタクトスイッチを備えています。
時計表示とカレンダー表示の切り替え:SW2長押し
時計・カレンダーの設定:それぞれが表示されている状態で、SW1を長押し→SW2,SW3の短押しで点滅する桁を±する→SW1の短押しで操作桁変更→SW1の短押しで変更結果の設定

LED表示

LEDはエラーや調整モードといった、動作状況に応じて点滅します。
点滅は、ヘッダ+400mSec消灯+メッセージ+1200mSec消灯の繰り返しとなります。
ヘッダおよびコマンドは200mSec点灯+200mSec消灯の点滅の繰り返しで定義されます。

状態ヘッダ点滅回数メッセージ点滅回数
時刻調整33
カレンダー調整34
CPU電圧異常*121
DCDCコンバータ停止時電圧異常 *222
DCDCコンバータ始動時電圧異常 *323
*1 CPUの電源電圧が5V±10%の範囲外です。
*2 DCDCコンバータのフィードバック電圧が異常です。R2,R3,D1が正しく取り付けられているか確認してください。
*3 DCDCコンバータが動作しても、電圧が上昇しません。R1,Q1,Q2,D2,R4が正しく取り付けられているか確認してください。

機能拡張

D8,A0,A1,A2端子は未使用です。VFD Shield基板上のユニバーサルエリアに温度センサ等を追加してArduinoに信号を取り込むことができます。
D3端子はArduino UNOの割り込み端子として予約していますが、現在のスケッチでは未使用です。基板のJP1が未接続の場合は、ユーザが自由に使用することができます。
D0,D1端子はサンプルスケッチではシリアル通信機能で使用しています。スケッチを修正することで、他の通信やデジタルI/Oとしてユーザが使用することができます。
A4/SDA,A5/SCLはi2c機能で時計用IC(DS1307)が接続されています。i2cアドレスの重複しない、信号レベル5Vのi2cデバイスを接続可能です。

回路図

信号名機能備考
D0RXサンプルプログラムではシリアル通信に使用
D1TXサンプルプログラムではシリアル通信に使用
D2SW3
D3-未使用だが、ArduinoUNOの割り込みとして予約
D4LED
D5SW2
D6SW1
D7BLANKINGVFD消灯
D8-未使用・未配線
D9DCDC-PWMDC-DCコンバータ制御用
D10SPI:SSVFD表示データ転送に使用
D11SPI:MOSIVFD表示データ転送に使用
D12SPI:MISOVFD表示データ転送に使用
D13SPI:SCKVFD表示データ転送に使用
A0-未使用・未配線
A1-未使用・未配線
A2-未使用・未配線
A3DCDC-FDBDC-DCコンバータ制御用
A4I2C:SDA時計用ICとの通信に使用
A5I2C:SCL時計用ICとの通信に使用



写真

キット完成写真



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入手方法

VFD Shield for IV-21はシールド部分の基板と部品一式がセットとなった組み立てキットとして頒布しています。
ご自身ではんだ付けを行い、組み立てていただく必要があります。
スルーホールに実装する足つきの部品のみで構成しています。表面実装部品は使用していません。
下記ショップでの委託販売及びニコニコ技術部勉強会Maker Faire Tokyo他のイベントで頒布しています。

通信販売

ご注意

本Shieldをお使いになるには、ある程度の電気やはんだ付けに関する知識や技術を必要とします。 本Shieldを使用したことによる損害、損失については一切補償しません。